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白いダイヤ シラスウナギ 採捕量前年比1%

投稿日:2018年2月8日 更新日:

白いダイヤとはシラスウナギのことであり、ウナギの稚魚です。日本で生産される品種のほとんどがニホンウナギで、天然物は1%に満たない状況です。養殖に不可欠な天然のシラスウナギは高値で取引されるため、「白いダイヤ」と呼ばれています。

日本の現状

2017年末から年1月までの、シラスウナギの採捕量は前年比1%程度と壊滅です。
前年同期比99%減が一過性のものなのかどうかが気になるところです。

各県の漁業調整規則などで漁には知事の許可が必要と定められており、指定期間以外の採取は禁じられています。
現在のウナギ養殖は、完全養殖ではないために、天然のシラスウナギを捕獲して養殖場で育ています。
2010年に完全養殖に成功していますが、コスト面など問題が多くあり、実用化には至っていないためにシラスウナギの漁獲量が減ってしまうと、市場に十分な量を供給できず、ウナギの価格も高くなってしまいます。

最需要期である夏場の土用の丑の日までに発育のよい若いウナギを出荷するには、遅くても1月中に稚魚を確保し、養殖池に入れる必要があるのです。

日本のウナギ漁は12月から4月の寒い時期に解禁になります。シラスウナギは冬に捕獲し、池に入れて成長させ、半年~1年半後に出荷します。

ウナギの生態

ウナギが産卵するのは地球上でたった1ヶ所。
2006年ウナギ博士こと魚類学者の塚本勝巳教授が稚魚の大きさを確認し、徐々に小さな稚魚、仔魚を見つけることによってニホンウナギの産卵場所がグアムの西側沖のスルガ海山付近であることを突き止めました。

ここで生まれたシラスウナギは北赤道海流にのり、インドネシア方面に移動し、黒潮に乗って台湾、中国の海辺を通り日本へときます。

黒潮にのって日本近海に来るころには、全長は5㎝ほどの透明な稚魚(チギョ)、シラスウナギとなっています。
日本では鹿児島をはじめ、宮崎、高知、静岡などの川を遡上します。大きくなるまでに10年以上かかります。
そして産卵のためにマリアナ海溝に戻ります。
海で産卵・孵化を行い、淡水にさかのぼってくる降河回遊(こうかかいゆう)という生活形態をとります。

日本における不漁の原因

・親ウナギが産卵場に下る量が例年に比べ少なかった。
・人工構造物が親ウナギを減らしている可能性がある。
・また現在12年ぶりに発生している東海沖の黒潮大蛇行のためにシラスウナギの来遊量が減っている可能性がある。
・稚魚を取るには都府県の許可が必要ですが、稚魚が高値で取引されることに加え、夜間に光に集まるシラスウナギをすくって捕獲します。網と電灯があれば一人でも取れるため、密漁が後を絶たないのが現状です。

シラスウナギの漁のピークは2月頃でその頃には例年並みの量が来る可能性もあるそうですが。昨シーズンはシラスウナギが豊漁だったといい、この夏は大きな影響はないのではないかと言われています。

シラスウナギの来遊量はなぜ減少したのでしょうか。

来遊量を減少させる基本的な原因は海洋環境と個体群の減少の二つが考えられます。(当然、これらの要因は複合して影響すると考えられます)。
・海洋環境について、エルニーニョ現象が生じている年にはシラスウナギの来遊量が減少することが知られています。
現在はエルニーニョとは反対の現象、ラニーニャ現象が生じていると考えられています。
ただ来遊量の減少をエルニーニョで説明することはできないそうです。
・エルニーニョ以外に考慮すべきは、黒潮の蛇行です。
現在黒潮は東海沖で大きく蛇行しています。
ニホンウナギのシラスウナギは黒潮に乗って北上するため、黒潮が蛇行し、日本から離れることによって、日本への接岸が難しくなる可能性があります。
しかし、東海沖における黒潮の蛇行によって、台湾も含めた東アジア全体のシラスウナギ採捕量の激減を説明することは困難です。
・このほか、来遊経路の渦の状態や、フィリピン・台湾振動がニホンウナギの来遊量に影響を与えることなども報告されていますが、今期の採捕量減少との関係は明確ではありません。

主要な要因として考えられるのは個体群の減少です。個体群が減少すれば、当然来遊量は減少します。
ただ問題は、前年同期比99%減という急激な減少を、個体群の減少で説明できるのか、ということにあります。

最後に

2019年には野生生物の国際取引を規制するワシントン条約の締約国会議が開催されます。そこで、ニホンウナギを含む全19種のウナギすべてが規制対象になる可能性もあるとのこと。日本でも輸入物として流通するヨーロッパウナギは、すでに2009年からワシントン条約で規制の対象となっており、EU(欧州連合)の輸出制限などで流通が大きく減っています。

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